2019-12-28「第0回IDPAクラブマッチ」開催レポート

走る、しゃがむ、カバーから撃つ……様々な姿勢や角度、距離から射撃する技術を競う「プラクティカル(実践的な、現実的な)シューティング」は、今や世界中で人気のスポーツ。今回はその中から「現実の世界でも有り得るシチュエーション」をテーマとした「IDPA」のクラブマッチを行いました。

IDPAとは

IDPAは「国際防衛射撃協会」の略で、競技名であるとともに主催団体名でもあります。その名の通り自衛のための技術をベースとした競技です。

「自衛のため」とはどういう意味かというと、射撃にあたっていろいろ制限が課される、ということです。例えば銃やホルスターは上着で隠れるサイズでなければいけませんし、物陰に隠れながらの射撃など、姿勢や角度も自由に選べるわけではありません。使用できる弾数もかなりシビアです。

典型的なIDPA射手の装備。ホルスターなどの装備を上着で隠すのがルールです。サファリベストはその昔はよく見られたものですが、最近はネルシャツやパーカーなどが使われることも多いようです。

ターゲットもこうして撃ってはいけないターゲットで一部が隠されていることがあります。

射撃以外にも色々と忙しいのがIDPA。原則、動き回らなければならないようにステージが作られます。

バリケードの向こうに行くために壁を投げ捨てているところ。

フォルトラインを踏み超えて射撃をすると減点なので、こういう「フォルトライン・バレエ」が試合中はよく見られます。

このような工夫をすることで、スピードを出しすぎてもダメ、慎重なだけでもダメ、というプラクティカルシューティングの特徴をより強く出しています。

クラブマッチの様子など

御堂筋シューティングクラブはまだ若いクラブであり、またIDPAマッチも初めてということでほとんどが初心者です。折に触れルールや基礎的な技術について講習をしてきましたが、当日は改めてルールと安全について確認を行いました。

弾が出ないレーザーピストルを使ってシンプルなステージを撃ってみる講習。ルール上、銃口は常に安全な方向に向けておかなければなりません。

競技は午後から3ステージ行われました。ステージ1は移動量は少ないものの、射程を長く設定しました。

ステージ2は壁を投げ捨てたあと、常に前進しながら撃つ内容にしました。

ステージ3はIDPAのもう1つの特徴である「シナリオ」を設定したステージ。街で起こった銃撃戦の中で立ち往生したバスに乗り合わせた……というところからスタート。

最初のうちはどうやって動いたら安全かどうか気になってぎこちない感じでしたが、ステージが進むにつれて感覚をつかみ、射撃のスムーズさが目に見えて上がりました。

終わりに

現在、実銃のみの競技であるIDPAにエアソフトガン部門を加えるべくIDPA台湾が活動されています。御堂筋シューティングクラブもエアソフトガンによるIDPAマッチの初心者向け講習会を通じて、IDPA競技の認知・普及につなげていきたく思います。

今回の開催にあっては、IDPA台湾の諸氏、IDPAオフィシャルクラブであるIDPA Japanに、エアソフト版ターゲットの手配やルールの解釈など、有形無形のご協力をいただきました。改めてお礼申し上げます。